下北弁の語尾表現

どこの方言でも語尾表現にはそこの言葉の特徴が現れていて面白いものです。
ここでは下北弁の語尾表現を紹介していきます。
一覧にある下北弁をクリックすると、例文を見ることができます。

 

一覧

共通語

下北弁

主な意味

そうだ

ずじゃ

伝聞

ようだ

よんた、みんた

同等・比較・例示・不確定な断定

たい

てぇ

希望

だろうなあ

べに

推量

ねえ、ね

のぉ

(1) 軽い詠嘆
(2) 軽く念を押す
(3) 同意を求める
(4) 問いかけ

だろうか

がさ

未来のことや不確定なことについての疑問・質問

(する)ものだろうか

(する)もんだってな

反語

(し)なよ

がな、が

命令

でば、てば

同意の気持ちを強調したり、投げやりの気持ちの表現

しのぉ

軽い驚きや詠嘆

言ったでしょう

(つた)きゃさ

過去に自分が言ったことを相手が忘れていたり、理解していなかったときに再度言う場面で使用

しよう

びゃし、びゃ

勧誘

(て)いる

でら、てら

動詞に付いて継続・進行

 

||||||| No.13 |||||||

てぇ

たい

希望の意味で用いる。

・ それば食いてぇ
(それを食べたい。)

・ 眠てぇ
(眠たい。)

 

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||||||| No.12 |||||||

よんた、みんた

ようだ

同等・比較・例示.不確定な断定な断定の意味で用いる。

・ 行ってきたよんた
(行ってきたようだ。)

・ 帰ってきたみんた
(帰ってきたようだ。)

・ 犬みんたしっぽ。
(犬のようなしっぽ。)

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||||||| No.11 |||||||


ずじゃ
あるいは「〜(んだ)づ」「〜(んだ)づじゃ」

そうだ

伝聞の意味で用いる。

〜(だ)ず
・ ほんだんだ
(そうなんだそうだ。)

・ 行ってきたんだ
(行ってきたそうだ。)

・ 行った
(行ったそうだ。)


〜(だ)ずじゃ
・ 行ってきたずじゃ
(行ってきたそうだ。)

・ 亡ぐなったずじゃ
(亡くなったそうだ。)

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||||||| No.10 |||||||

べに

だろうなあ

推量の意味で用いる。 

・ いだがべに
(痛いだろうなあ。)

・ さむがべに
(寒いだろうなあ。)

・ おがしがべに
(可笑しいだろうなあ。)

形容詞に接続するほか、動詞に接続して用いることもある。

・ ゆるぐねくたべに
(大変だっただろうなあ。)

・ 苦したべに
(苦労しただろうなあ。)

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||||||| No.9 |||||||

のぉ

ねぇ、ね

(1) 軽い詠嘆、(2) 軽く念を押す、
(3) 同意を求める、(4) 問いかけの意味。

 

・ ほんだぇのぉ
(そうだよねぇ。)

・ こいだばわがねよのぉ
(これじゃだめだよねぇ。)

・ どごさへばのぉ
(どこにそんなこと(あるいは人)がありましょうか、ねぇ。)


「のぉ」単独で使うこともあります。

男性は「のぉ」「の」よりも「なぁ」「な」を使うことが多いです。

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||||||| No.8 |||||||

がさ

だろうか

未来のことや不確定なことについての疑問・質問

 

   ・ どんだもんだがさ、わがらねじゃ。
(どのようなものだろうか、わからないよ。)

・ 行ってきたんだがさ、おどさだね。
(行ってきたのだろうか、音沙汰がない。)

・ 着いだがさ電話してみる。
(着いただろうか電話してみる。)

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||||||| No.7 |||||||

もんだってな
ものだってな

ものだろうか(いやない)

反語の意味

・ あのふとが酒止めるもんだってな
(あの人が酒を止めるものだろうか。)

・ 思った通りになるものだってな
(思った通りになるものだろうか。)

反語の意味で使います。「だぁへば」を前に伴い、「だぁへば、時間通りに来るもんだってな。」ということもあります。

 

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||||||| No.6 |||||||

がな

なよ

  ・ 行がねがな。(行きなよ。)

・ やんねがな。(やりなよ。)

・ 寝で起ぎねがな。(寝なよ。)

・ 腹すぎだら、かね
(お腹がすいたなら、食べなよ。)

・おめの好ぎだよにしね
(おまえの好きなようにしなよ。)  

動詞の未然形に接続します。例えば、「行く」の未然形は「行かない」。これが方言になると「行がね」。「行がね」+「がな」→「行がねがな」となります。  

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||||||| No.5 |||||||

でば
てば

同意の気持ちを強調したり、投げやりの気持ちの表現。


・ おうでば。(おう。)


・ ほんだでば。(そうなの。)


「よ」を語尾につける場合もあります。

・ んだでばよ。(そうなの。)  

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||||||| No.4 |||||||

しのぉ

軽い驚きや詠嘆の意味で使う。

形容詞に続く場合

・ うるせしのぉ
(うるさい。)

・ (価格等が)たげしのぉ
(高い。)


形容詞+「もんだ」を伴う場合

・ すごいもんだしのぉ
(すごいもんだ。)

・ 面白いもんだしのぉ
(面白いもんだ。)  


A : こねんだ、彼氏ど夜景ば見に行ってきたんだぃ。
   (この前、彼氏と夜景を見に行ってきたよ。)

B : やー 良いしのぉ
   (まぁ 良いわね。)

A : わいど二人のためだげに夜景があるよんたもんだった。
   (私たち二人のためだけに夜景があるようなものだった。)

B : まんず なだば どんどもなんねしのぉ
   (もぉ あなたったら どうもならないわね。)

 

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||||||| No.3 |||||||

(つた)きゃさ

「でしょ」の意味。「(つた)きゃな」ともいう。

 
「言う」の意味の「へる」に続く場合

・ なさ へったきゃさ
(あなたに言ったでしょ。)  

その他の動詞に続く場合

・ 掃除するっつたきゃさ
(掃除すると言ったでしょ。)

・ 昼御飯食べだっつたきゃさ
(掃除すると言ったでしょ。)  


 A : 明日、脇野沢さ行ぐの?
    (明日、脇野沢に行くの?)

 B : きな、なさへったきゃさ
    (昨日、あなたに言ったでしょ。)

 A : え?何があるんだが?
    (え?何かあるのかい?)

 B : 大畑がらお客様来るして、えんなが掃除する
     っつたきゃさ
    (大畑からお客様が来るから、家の中を掃除する
     と言ったでしょ。)

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||||||| No.2 |||||||

びゃし
びゃ

「べし」、「べ」と同じ。「しよう」と、誘うときに使う。

  ・ 鬼ごっこするびゃし
(鬼ごっこしよう。)

・ 外で遊ぶびゃ
(外で遊ぼう。)

・ 家さ帰るびゃ
(家に帰ろう。)  

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||||||| No.1 |||||||

でら
てら

いる

継続・進行の意味

・ おべでら
 (覚えている。)

・ まま食ってら。 
(ご飯を食べている。)

・ 奥の部屋で寝でら
 (奥の部屋で寝ている。) 


疑問形になると・・・
・ おべでら
 (覚えているか?)

・ 出掛げでら? 
(出掛けているか?)

・ 帰ってきてら? 
(帰ってきているか?)


 というように語尾を上げて訊きます。


過去進行形になると・・・
・ おべでらった
 (覚えていた。)

・ まま食ってらった
 (ご飯を食べていた。)

・ 奥の部屋で寝でらった
(奥の部屋で寝ていた。)

 


 A : 何してらの?
      (何をしているの?)

 B : 何してらって、TV見でらべさ。
      (何をしているのって、TVを見ているところよ。)

 A : A子ほの兄っちゃ結婚したのおべでら
      (A子んちの兄さんが結婚したのを知っている?)

 B : うん。おべでら
      (うん。知っている。)

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