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むかし話を下北弁で

■ ももたろう

   はじめに 1  

       全文

■ 鼻欠け十王

■ あわびの恩返し

ももたろ 1

昔(むがし)、あるどごさ じっちゃどばっちゃどあったど。じっちゃ山さ芝刈(しんばかり)しさ、ばっちゃ川さ洗濯(せんだぐ)さ行ったど。

むかし、あるところにおじいさんとおばあさんがおりました。おじいさんは山にしばかりに、おばあさんは川にせんたくに行きました。

 

ばっちゃ 洗濯(せんだぐ)しちぇあったっきゃ、桃が上(かみ)がら流れで来たず。ふとつ拾(ふら)って食ってみだっきゃ、たいしためふたして、うぇのじっちゃさも食(か)へてぇなあど思(も)って「めぇ桃こっちゃ来(か)せ、こっちゃ来(か)せ、苦(にげ)ぇのあっちゃいげ。」ってへってらったっきゃ、大っきためそんた桃が流いで来たど。へて、ほの桃ばふらって家(え)さ持って帰ったど。

おばあさんがせんたくをしていると、ももが上の方から流れて来ました。一つひろって食べてみたらとてもおいしかったので、おじいさんにも食べさせてあげたいなと思って「おいしいもも こっちに来い、こっちに来い、にがいももはあっちにいけ。」といっていたら、大きくおいしそうなももがどんぶらこどんぶらこと流れてきました。そして、そのももをひろって家に持って帰りました。

  

晩(ばげ)さになって、持って帰って来た桃ば出して、じっちゃどして食(く)べど思(も)ってほぢょで切る気ながったっきゃ、桃がばがっと割いで中がらめんこい男(おどご)わらしが出はってきたど。

じっちゃどばっちゃ たまげでまったたて、「うぇの家(え)さわらしもねぇし、わいどで大事に育でびゃ」ずごとにしたど。へて、桃がらまいだして、おどごわらしさ「ももたろ」って名前っこつけだど。

ばんになって、持って帰ってきたももを出し、おじいさんといっしょに食べようと思ってほうちょうで切ろうとしたら、ももがばがっとわれて中からかわいらしい男の子が出できました。

おじいさんとおばあさんはおどろいてしまいましたが、「うちの家には子どもがいないので、私たちでだいじにそだてましょ」ということにしました。そして、ももから生まれたので男の子に「ももたろう」と名前をつけました。

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作成更新:2006年3月31日

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