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むかし話を下北弁で

■ ももたろう

   はじめに  2 

       全文

■ 鼻欠け十王

■ あわびの恩返し

 

ももたろ 2

あるづぎ、からす ももたろ家(え)さ来て「鬼 あっちだの、こっちだのの村で物ば盗って、村のふとどさ乱暴してらでぇ。お姫様ばさらってってまったでぇ。」ってしかへだもんだどごで、ももたろ「こいだばわがね。わいが行がねば」ど思(も)って、じっちゃどばっちゃさ「鬼が島さ鬼退治さ行きてぇして、わいさ日本一のきび団子ば作ってけさまい」って頼んだど。

あるとき、からすがももたろうの家に来て「おにがあっちこっちの村で物をぬすんで、村の人たちにらんぼうをしているよ。おひめさまをさらっていってしまったよ。」とおしえたものだから、ももたろうは「これじゃだめだ。ぼくが行かなくては。」と思い、おじいさんとおばあさんに「おにがしまにおにたいじに行きたいので、僕に日本一のきびだんごを作ってください。」とたのみました。

 

じっちゃもばっちゃも「わがね」「行がさな」って止めだたって、行ぐってゆごど聞がねもんだもの仕方ねっきゃ。じっちゃどばっちゃ、刀(かだな)だの着物だの持ってぐものばそろげで、きびだんごど『日本一』って書いだ旗ばたながせで家(え)ば出してやったど。

おじいさんもおばあさんも「だめだ」「行かないで」と止めましたが、行くといっていうことを聞かないものですからしかたがありません。おじいさんとおばあさんは、かたなや着物など持っていくものをそろえて、きびだんごと『日本一』と書いたはたを持たせて家を出してやりました。

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作成更新:2006年3月31日

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