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むかし話を下北弁で

■ ももたろう

   はじめに   

    5   全文

■ 鼻欠け十王

■ あわびの恩返し

 

ももたろ 5

門が開いだどごで、「それいげ!」って攻め込んでったど。番兵(ばんぺ)してら鬼だのそごらさいだった鬼どっきゃ、はぁ「なんだもかんだも大変だごとおぎだ。」、「おっかねの来た。」って大(おっ)騒ぎしながら奥(おぐ)さ逃げでってまったど。

門が開いたので、「それいけ!」とせめこんでいきました。番をしていたおにやそのへんにいた鬼たちはもう「なにもかにも大変なことがおきた。」、「おそろしい者たちがきた。」と大さわぎしながらおくへ逃げていってしまいました。

 

そのづぎ、城の奥では鬼の大将どが酒(さが)盛りしてらどごだったど。「なんだがさ城の中さわがしぐなるし、下っぱの鬼どが大変だ大変だって逃げでくるし、なんだ?」ど思ったどごさももたろど来たおん。鬼の大将 なんもかも怒(おご)って、重でぐでっけ金棒ばぶんぶど振り回して、ももたろどさかがって来たど。

そのとき、しろのおくではおにの大しょうたちがさかもりをしているところでした。「なにかしろの中がさわがしくなるし、下っぱのおにたちが大変だといってにげてくるし、なんだ?」と思ったところへももたろうたちが来たのです。おにの大しょうは、なにもかにもおこって、おもくて大きな金ぼうをぶんぶんとふりまわして、ももたろうたちにかかってきました。

 

はぁこった、周りの鬼どもみなががりよ。

こうなると、まわりのおにたちもみながかりです。

 

鬼どかがってきたたって、なにおっかねもんだず。ももたろどさかがったら、くそもおっかねものね。日本一のきびだんごば食ってきたもんだして、強ぇのなんのって。なんだもかんだもすごふた。きじ突っつぐし、猿かっちゃぐし、犬噛むし、ももたろ投げ飛ばすしで片(かだ)っ端がら鬼どばやっつけでまったど。

おにたちがかかってきたって、なにがこわいものがありましょう。ももたろうたちにかかっては、なにもこわいものはありません。日本一のきびだんごを食べてきたものですから、強いのなんのって。とにかくすごいものでした。きじはつっつくし、さるはひっかくし、犬はかむし、ももたろうは投げとばすしでかたっぱしからおにたちをやっつけてしまいました。

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作成更新:2006年3月31日

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